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KTVの話

 私はほとんどお酒も飲めませんし、お金持ちではありませんので遊びが上手なタイプではありませんが、それでも夜の盛り場が大好きです。明るいときは生気の抜かれたような感じだった街角が夕方から夜にかけて色づいてゆき、すれ違う人たちから香水の匂いが漂いはじめると今日は終わり。そこからはナイトライフという「違う」時間の始まり。お店が並ぶネオン街を歩いているだけでも心がウキウキしてきます。
 最初にフィリピンに行った際に空港まで迎えに来てくれた、マイ・ファースト・ラブ・イン・フィリピン、大好きだったマリゼルがプレイ・マンションというマラテのKTVで働いていた流れから、なんとなくKTVに馴染んでしまったこともあり。ひとりでの旅行だとゴーゴーバーの生々しさに逆に孤独感を強めてしまうような感じもして、マニラにいるとKTVバーに足が向いてしまいます。
 飲めないといいながらも、マラテのKTVに行くとJINROのスプライト割り、たっぷりとカラマンシーを絞ってもらったやつをいつも痛飲してしまいます。このジンロ+スプライト+カラマンシーこそが俺にとってのマニラの味です。このカクテルを缶入りのカクテルドリンクとして売り出してもらえないでしょうか。懐かしくなって日本の自宅でも同じようにJINROをスプライトで割ってみるのですが、スプライトの味が違うからなのかカラマンシーがないからなのか、全然テイストが違うんですよね。
 下戸の私ですからそうそう何件ものKTVに行ったわけではないのですが、自分自身語る資格に疑問を感じつつ、でもおおいにKTVについて語らせてもらいます。

 1度目のフィリピン旅行では先述のプレイ・マンションに毎晩通いつめましたが、程なくお店が移転してしまい、スタッフも変わってしまったとのことでした。
 2度目のフィリピン旅行のときは、そのときはそのときでこれまたDate in Asiaで知り合ったアイザというガールフレンド的な感じの人がいて、アイザのルームメイトが働いているMysterious(ミステリアス)というロビンソンモールの真ん前にある名門KTVに案内してくれました。
 このMysteriousという店の名前もオカルト・ハンターを自認する私にはたまらない名前ですし、いかにもメジャー店然として溌剌としたスタッフの方々の勢いもイイ感じです。ホステスの方々とも店が終わった後、カウボーイ・グリルというバンドディスコ的なレストランへアフターに行ったりしてすっかり仲良しになってもらっちゃいました。この2度目のフィリピン旅行で帰りの飛行機を間違えてしまってマニラの路頭に迷い、アイザの部屋に泊めてもらったのですが、ルームメイトであるこのMysteriousのスタッフの皆にもすっかりお世話になってしまいました。
 キアナ、ジャナ、ミチ、キョウコあたりが私の友達ですのでMysteriousに行った際にはぜひ指名してやってください。マリちゃんという顔がキレイで性格的にもすごく愛嬌のある方もお仲間なのですが、いろいろあって今はORANGE5というお店にいるようです。私はORANGE5には行ったことはないのですが、次行くときにはマリちゃんの顔も見たいなと思っているところであります。ともあれMysteriousはとりあえず間違いのないお店だと思いますので最初の1店目としていかがでしょうか?おすすめです。行ったことはないのですがセブ(マンダウエ)とカンボジアのプノンペンにも支店があるようです。

 その次にフィリピンに行ったときぐらいにMysteriousが改装中でお休みだからとジャナやマリちゃんが連れて行ってくれたのがTOKYO88でした。ここもなかなかにメジャー感があるお店で垢抜けています。マリちゃんらがいたからでしょうが、ママさんにいろいろとよくしてもらいました。ありがとうございました。KTVにおいてママさんというのはすなわち雇われママ、チーママということなると思います。オーナーママはいてもかなり珍しいと思います。
 偶然ながらTOKYO88にはもうひとつ縁がありまして、これまたDate in Asiaで知り合いFacebookで仲良くしているサツキちゃんという、かなりかわいい日本のアニメ好きかつコスプレレイヤーが勤務しておられます。別の機会にサプライズ的にいきなりお店に行ったらすごく喜んでくれました。ほんといい感じの子で可愛いです。TOKYO88のサツキちゃんもよろしくお願いします。

 いきなり細々した話をしてしまいましたが「KTV」あるいは「KTV Bar」とは何かといいますと、たぶん「Karaoke TV・バー」ということだと思います。簡単に言えばキャバクラというかボックス席のある大箱のカラオケスナックです。料金は90分飲み放題で300ペソ(800円)〜500ペソ(1400円)ぐらいでしょうか。「やすいやん」とお思いでしょう。いやいやたしかに安いんですけど、ここから女の子を指名したり女の子にドリンクを飲んでもらったり延長したりしてたらすぐに5000円ぐらいはいきます。あくまで私の場合ですが、だらだら居てまぁ5000円くらい払う感じでしょうか。いや、うーん。もうちょい払うかな。さみしがり屋なんで……。さみしくてついつい延長が長引く自分の性格がこわいのでいつも早い時間、ディスコでお茶をにごすというか、ディスコでちょっと時間を使ってやや遅めに店に入るようにしています。
 ちなみに私はマラテのKTVではぼったくりにあったことはありません。私が行ったことのあるKTVは例外なくすべて会計に関しては注文のたびに伝票にサインを求められるシステムシステムになってますので、ぼったくりというのが考えにくい仕組みにはなっています。とりあえずメジャーなお店でぼったくりはあまりないのではないでしょうか。メジャー店ではなくても私の知人が「新キムラ」というちょっとローカルっぽいKTVに行った話を聞きましたが、こちらはこちらで特に心配なく、かつかなりリーズナブルに楽しめたということでした。

 Mysteriousに行ったら後で何人か引き連れてアフターに行っちゃいます。こっちの方が金銭的には高くつくでしょうか。高くつくとはいっても5〜6人をカウボーイ・グリルに連れて行って朝6時まで全員がべろんべろんになるまで飲んでも1万5千円ほどでしょうか。嬉しそうに大騒ぎするフィリピンの女の子たちと過ごす時間はほんとに楽しいものです。まさにプライスレス!カウボーイ・グリルはカードも使えます。

 KTVはその名の通りカラオケが基本となったサービスで、今は韓国人のお客さんも多い感じですが、もともとは日本人向けのサービスということになると思います。私が行くのはマニラ特別市のマニラ地区のマラテ周辺のお店です。翻ってマカティ方面にはもう少し欧米っぽい感じの夜の店が多いように思います。私はマカティではHandle Barというライブハウスに行ったことがあるだけで、いわゆる女の子がいるバーには行ったことはありませんが、街並みの雰囲気がいかにも欧米な感じの歓楽地でありました。また、次行くときにはゴーゴーが並ぶというEDSA Complex、通称エド・コンにも出かけてみようと思っております。エド・コンのことはDJ北林さんのお話で知りました。ゴーゴーを冷やかしつつ、Facebookでの友達がDJをやっているクラブが近所にあるそうなので覗いてみたいなと思っております。同じくDJ北林さんが話題にされていたラ・カフェにも行ってはみたいです。
 あるいは次回はパンパンガのサン・フェルナンドに取材に行きますので、少し足を伸ばして噂には地上最後の楽園とも聞くアンヘレスも冷やかしてこようかと考えております。私は今までの人生で一度だけ、アドレナリンが噴出する際の脳の音をこの耳で聴いたことがあります。それは「プチュゥーゥウ〜」という感じの音でしたが、その音はあのバンコクのソイ・カウボーイのネオンを見た瞬間に聞こえたのです。アンへレスでもアドレナリンが噴出するあの音がまた聴けるんじゃないかなぁと期待しています。ただ、ビバリーと一緒なので悪いことはせず「ミルダケ」で帰ってきますが……。

 オクテな私なりに今後もナイトライフのこともレポートできたらと考えております。また、マニラ以外の地域でも結構ですので穴場情報があれば教えてくださいね!