番外編：リオ・デ・ジャネイロ旅行記 概論編
フィリピンは16世紀にスペインに占領された歴史があり、アジアの中でも中南米と似た歴史的経緯があると思います。実際にはフィリピンの宗主国がスペインであったのに対して方やブラジルはポルトガルであり、考えてみるとほとんど関係ないような気もするのですが、かたい話は抜きにして……。こじつけ的にフィリピンとの比較などの含めつつ書いてみたいと思います。
旅行の日程は8月2日から8月11日まで、実際ブラジルにいたのは3日午後から10日未明までということになります。南半球なので季節は一応冬。気候的に常夏といえるとは思うのですが、日本の8月よりはいくぶん涼しくて、風も爽やかでものすごく過ごしやすい気候だと思いました。裸でウロウロしている人もいればジャンパーを着ている人もいて、しかもそれに違和感を感じることのない不思議な感じはありました。
街の雰囲気ですが、行く前はとにかく治安が悪いことが喧伝されており、漠然とマニラと同じような感じかなと思っていたのですが、実際には全然違っていて、街並みや道路事情も整然としています。こう言っちゃなんですが洗練された都会そのものでありました。逆に言えばバンコクやマニラのようなもう少し猥雑な感じを期待していたので食い足りないといえば食い足りない。そんな感じもありました。どこに危険が潜んでいるかわからないので軽々しいことはいえませんが、肌で感じる雰囲気でいえばマニラの街の方が緊張感は数段上と感じました。
フィリピンのように米西戦争の舞台になったわけでもなく、マニラ市街戦のような破壊の歴史があったわけでもないので古めかしいアールデコ調の建物が数々残っており、そんな中に建築大国ブラジルらしい洗練されたモダンなデザインの建物が並ぶ町並みはほんとに素敵でかなり目の保養になります。世界三大美港のひとつともいわれ、世界遺産にも指定されているビーチと急峻な丘が混在するその景観も相まって、リオデジャネイロに来たことがある人は誰もがここを「良いところ」というのではないでしょうか。
通貨に関して、ガイドブックなどにもありますが、日本であらかじめドルを買って持って行き現地で取るからレアル（REAL/BRL）に両替した方が結果的には得なような気がしました。現地で円からの両替をしなかったので比較しての話はできませんが、日本在住のブラジル人の友人にからも「ドルを買っていくように」と助言されましたのでドルを買っていくのが常道なのでしょう。間違っても日本の空港の両替屋でレアルを買わないようにしてください。同行した人が関空で直接レアルを買ってかなり損した感じになっていました。空港の両替商は直接の両替を勧めてきますがその口車に乗ってはいけません。今は日本も市中の両替屋さん（チケットショップなど）が増えていますのでドルを買うのは割と手軽だと思います。
宿に関して、同行者が女性だったということもあり、あんまりやさぐれた感じの安宿も困るということでAirbnbから民泊を利用させてもらいました。Joli appartement à Copacabanaとして紹介されているお部屋で、場所は地下鉄のCardeal Arcoverde駅至近。コパカバーナビーチにもほど近く、イパネマ方面に行くにも旧市街に行くにも、オリンピック開会式の会場であるマラカナンスタジアムに行くにも一本で行けて便利なところでした。
料金は清掃料金なども入れて2人×6泊で10万円ほど。部屋自体は２ベッドルームとリビングルームとダイニングキッチンがあり、日本人の私から見れば広々としていました。清潔でガスコンロや電子レンジもあって自炊もできます。お目にかかることはありませんでしたが、家主さんも親切な方で、こちらがお願いしたちょっとしたリクエストにも快く応じていただけました。
近くにはジュースバーとサンドイッチ屋さんが一体化したお店が2件あります。嬉しかったのはカカオのジュースがあったことです。私はフィリピンのケソン州の知人の家で食べさせてもらって以来、チョコレートよりもカカオフルーツを直接食べた方が美味しいのではないかと思っているクチでして、フィリピンに行ってもカカオフルーツを探し歩いています。しかしそうそう売っているようなものでもなくなかなか口にすることができないでいるのですが、ブラジルでジュースに出会って感激して毎日狂ったように飲みまくっておりました。味もあのカカオの果肉の甘酸っぱいような味。最高でした。食べたいなと思ってカカオの実そのものもアパート近くで開かれている市場やスーパーなどを探してみましたが見つけることはできませんでした。