ビバリーについて
ビバリーはマニラのとある名門私立大学で心理学を学ぶ大学生で、ホラー映画とシリアルキラーが大好き。そう詳しいわけではありませんが私も嫌いではないのでエド・ゲインやジョン・ゲイシーやジェフリー・ダーマーの話で盛り上がりました。なんでも殺人鬼好きが嵩じて心理学の道に進んだのだとか。日本人で言えばやはり神戸が生んだカニバリスト、かの佐川氏が大学の教材にもなっているようです。逆にスピードと人数の比ではギネス級ともいわれ、『八墓村』で知られる津山事件は国際的にはあまり知られていないようです。ともあれマニラから帰った後もFacebookを通して交流は続いていたのですが、彼女のタイムラインを眺めているとどうも学校のことで大変悩んでおられるご様子でした。どうしたのかと尋ねるとシンプルな話、学費が捻出できず困っているとのこと。ここでやっと彼女が学費捻出のために自らをヌードモデルとして売り出していたことに思い至ったのでした。思えばマニラで最初に待ち合わせをしたのもマカティにあるスプリントというアメリカの電話会社のトレーニングセンターでした。学生を続けるために仕事をしようとしてたんですね。鈍感ですみませんでした。ところでいくら要るのかと訊けば半期で10万円弱程度とのこと。その時点で1年次の半分は済んでましたので、その後4年次まで全部払ったとして60万〜70万円ぐらいの計算だったように思います。私には家族も子供もいませんし、まぁいいかなと思い、私が彼女の学費を出すことにしました。
もちろん昨日今日出会った人に対してこのような施しともいえるような行為をすることに疑問を感じる向きもあるかと思います。私の周りでもそのような声はあります。しかし私としてはビバリーと出会ったその最初のフィリピン行きで訪れたシキホール島でヴィラ・マーマーリンを経営されている原田さんが現地で「シキホールズエンジェル」という教育支援をされていることを見たこともあり、かねてから私が住む神戸出身のスーパースターである杉良太郎さんが80人近くのベトナム人孤児を養子として支援し「売名行為と言う奴はいるが、やれるもんならやってみろ。やって売名行為をすればよい」と言ってのけるその姿に強く憧れていたこともあり、このビバリーの窮状を見るにつけ、これこそが俺のターンと感じ学費を出させてもらうことにしました。余談ですが、杉先生に敬意を表して「君は人のために死ねるか」をマニラのKTVで歌わせていただくこともしばしばであります。私の歌の話はさておき、彼女はなかなか勉強家であるようで、成績も優秀らしく、3年次からは奨学金も降りて私が負担する学費が半額になりました。なかなかの孝行娘です。
ともあれフィリピンに行くたびにビバリーがガイド的に助けてくれますし、ちょっとした調べものや現地での特殊な予約やバスルートの調査なんかもしてくれます。私は作曲家として歌を作ったりもするのですが、英語歌詞を一緒に考えてくれたりもします。心理学専攻ということで私のオカルトスポットや珍スポット取材も彼女の興味対象と近からずも遠からず、という感じで同行してくれます。彼女がガイドしてくれることで私のフィリピンでの時間がとても価値あるものになっているのは間違いありません。しっかりものなので私がユルんでいるとビシッと叱ってくれたりもしますし、最近ではマニラにいるときには彼女のアパートに泊めてもらうこともあったりしてホント、助かってます。ただ、ビバリーといるとあんまり悪いこともできないというか、彼女はKTVやディスコを好む享楽的なタイプではないので夜遊びにはあんまり理解がありません。最近ではマニラにいるときには彼女の目を盗んで夜遊びさせていただいております。
そんな感じで、なんだかんだいいながらビバリーとは仲良くさせてもらっています。年齢もかけはなれているし性別もちがうけど、マブダチっていってもいいんじゃないかな。彼女の大学の卒業式に行くのが夢ですね。
余談が重なりますが、大学進学に関して言えばフィリピンの大学に行くという選択肢はけっこうアリかなという感じはします。ビバリーを見ていてもかなりハードに勉強している感じであります。上に書いたように学費は格段に安いですし、日本から近いというのもいいですよね。どうしても治安が悪いという問題はありますが、韓国の方々がよくフィリピンに英語留学されるのは合理的な選択のようにも思います。大学進学をお考えの方、フィリピンの大学はいかがでしょうか?