観光、各論の前に
私の場合旅行に関しては観光というよりもオカルト・ハンティングという傾向が強いので、時には僻地奥地に赴き、泥臭いスタイルでの旅行になりがちなのですが、泥臭さを志向しているつもりで行った先が、もう目の覚めるような白い砂浜と青い空、青い海が見渡す限りに続くところでしかも独りぼっちというか独り占め状態。「リゾート」なんて雰囲気に縁遠い私も、思わずとももうこれはリラックスするしかないとか。
ちょっとヤバめの山間にある新興宗教の施設に潜入するつもりが、行ってみるとこれまたどこから見ても清々しいマウンテンリゾート。宗教かなんかわからんけど、ほんまに心身ともにリフレッシュしちゃいました。というような。そんなふうにどこへ出かけても、行ったその先がリゾート地であるような感じがするのがフィリピンの印象です。
それこそビーチに関してはどの地域に行っても素晴らしいところがある感じですし、離島はどれもがまるまるリゾート地といった感じではないでしょうか。素朴な自然はそれだけでもう贅沢ですよね。もちろん整備されたリゾート地の居心地の良さは格別でしょう。火山国でもありますから山岳部の地形も変化に富んでおり、すごいスケールの洞窟、ボホルには特異な形の丘陵があり、ルソン島の南の方にはマヨン山という富士山と兄弟といわれるような美しい山もあります。世界のリゾートアイランドの横綱格でもあるパラワン島にはアンダーグラウンドリバーなる洞窟河川もあります。
南国特有の動植物も好き者にはたまらないのではないでしょうか。私の知人のかなり強面の先輩が「パラワン行ったらな、猿がな、朝飯のフルーツ盗りに来よるねん」と興奮して話してくれましたし、あの蝶々狂で知られる鳩山邦夫さんがルソン島で蝶にからんだかなり濃いグレーな事件を起こしたこともよく知られています。鳩山さんもフィリピンの蝶に狂わされたのでしょう。爬虫類のコブラやワニも有名です。
あとよくフィリピンに関してよくいわれることが、「人々の笑顔が一番の観光資源」というやつです。ちょっときれいにいいすぎのような気もしますが、たしにフィリピンの人々のホスピタリティ精神といいますか、人懐っこいオープンな雰囲気はひとりで旅行をすることも多い私のような旅行者にはありがたいです。ほんとに国土も人々も観光地としての適性がバッチリだと思います。
これだけの秘境や景勝地に恵まれ観光資源に事欠かず多様な文化を包摂する国ながら、未だあまり日本では知られていないようなところも多いように見えるのが少し残念であると思っております。私もフィリピンに行く前と実際に訪れた後ではフィリピンに対して抱いていたイメージがかなり変わりました。変わったというよりも、どんどんと印象の振れ幅が広がってゆくような感じでしょうか。思ってたよりもなんかすごいな〜!というのが率直な感想です。
私も体ひとつではそうあちこちに行けるわけでもありませんし、旅行中に行く先がちょっと変わった場所である場合もあるので必ずしも皆さんのご期待に応えるものではないかとも思いますが、私なりに見て歩いた場所についてこれからボチボチ書いてみたいと思います。